組織や団体のウェブサイトで、お知らせや報告書、会議資料などを公開する際、PDF形式で掲載されているケースが多いかと思います。
PDFは、紙媒体と同様の見栄えで情報を提供できるという利点がありますが、ウェブサイトでの閲覧という点においては、HTML形式の方が優れている点が多くあります。
今回は、PDFとHTMLの特徴を比較し、ウェブサイトにおけるHTML形式の利点についてご説明いたします。
PDFとHTMLって?
まず、PDFとHTMLについて簡単にご説明します。
PDFは、紙の書類のようなイメージです。パソコンやスマホで見てもレイアウトが崩れません。印刷物と同じように見せることができるので、これまで紙で配布していた資料をそのままウェブサイトに載せることができます。
HTMLは、ウェブサイトを作るための言語です。パソコンやスマホの画面に合わせて表示が変わります。そのため、どんな機器で見ても、快適に情報を読むことができます。
PDFのメリット・デメリット
PDFは、紙の資料と同じように見ることができるというメリットがある一方、ウェブサイトでの閲覧においては以下のようなデメリットも挙げられます。
- スマートフォンやタブレットで見にくい: 近年、スマートフォンやタブレットでウェブサイトを見る方が増えています。PDFはこれらの端末での閲覧に最適化されていないため、文字が小さくて読みにくかったり、ページを動かすのが大変だったりします。
- 例えば、スマホでPDFを見ると、文字が小さすぎて読みにくかったり、指で拡大縮小を繰り返す必要があったり、ページをスクロールするのが面倒に感じることがあります。
- 印刷した方が見やすいと感じさせてしまうことも: パソコンの画面で見ても、PDFは文字が小さかったり、スクロールが面倒だったりして、結局印刷してしまうことはありませんか?
- ウェブサイトに資料を掲載することで紙の消費量を削減できると思いきや、印刷を促してしまい、逆効果になってしまうケースもあります。
- 「画面上でPDFを読むのは目が疲れる」「ページを行ったり来たりするのが面倒」「資料に書き込みをしたい」といった理由から、印刷してしまう方も多いのではないでしょうか。
- HTML形式であれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、あらゆるデバイスで快適に閲覧できるため、印刷の必要性を減らし、紙の消費削減に貢献することができます。
- Googleで検索されにくい: Googleなどの検索サイトで、ウェブサイトの情報を探しやすくするためには、HTML形式の方が有利です。PDFだと、情報が検索結果に表示されにくくなってしまいます。
- 音声読み上げに対応しにくい: 目の不自由な方などが使う、ウェブサイトの内容を読み上げてくれるソフトがあります。PDFの場合、このソフトに対応していない場合があり、情報を得ることが難しいケースがあります。
- 表現力に限界がある: PDFは基本的に静的なドキュメントなので、画像や動画、スライドショー、外部サイトへのリンクなどを自由に配置することが難しい場合があります。
HTML形式のメリット
HTML形式で資料を掲載することで、上記のような課題を解決することができます。
- どんな機器でも見やすい: スマートフォン、タブレット、パソコンなど、どの機器からアクセスしても、画面サイズに合わせて最適な表示で閲覧することができます。
- 例えば、スマホでHTMLを見ると、画面の大きさに合わせて文字や画像のサイズが自動的に調整されます。そのため、拡大縮小の必要がなく、快適に読むことができます。
- Googleで検索されやすい: ウェブサイトの情報が検索結果に表示されやすくなり、多くの方にウェブサイトを見つけてもらうことができます。
- 音声読み上げに対応しやすい: 目の不自由な方でも、情報を得やすくなります。
- ウェブサイトの更新が簡単: ウェブサイト上で直接編集できるため、情報の更新作業が楽になります。
- 表現力が高い: 画像や動画、スライドショー、外部サイトへのリンクなどを自由に配置することができます。
- 例えば、以下のように、様々なコンテンツを効果的に配置することができます。
- 会議の様子を撮影した動画を埋め込むことで、臨場感を伝えることができます。
- プレゼンテーションのスライドを埋め込むことで、情報をわかりやすく整理することができます。
- 関連するウェブサイトへのリンクを貼ることで、より深く知りたい方のニーズに応えることができます。
- 例えば、以下のように、様々なコンテンツを効果的に配置することができます。
HTML形式で、より良いウェブサイトを
ここまで、HTML形式がウェブサイトでの情報公開に適している理由をご説明してきました。
HTML形式は、PDFと比べて、
- あらゆるデバイスに対応し、見やすい
- 情報を探しやすい
- 最新の情報がわかりやすい
- 音声読み上げに対応しやすい
- 表現力が高い
- 更新が簡単
- 環境負荷が低い
など、多くのメリットがあります。
HTML形式への移行によって、ウェブサイトの利便性向上、情報発信力の強化、そして、より多くの方が情報にアクセスできる環境づくりが実現すると考えます。